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今まで読んだなかで、一番好きなビジネス書は?
もし聞かれることがあれば、わたしは迷わずこう即答します。

ビル・パーキンス著『DIE WITH ZERO』!
「オーディブルでおすすめのビジネス書」のなかでも、特に好きな作品。放っておくと、小一時間は語れてしまうと思います…(笑)
著者の主張をひとことでお伝えすると、以下のとおり。
お金はすべて使い切って死ね。経験に使え。
まだ読んでいない方がいたら、超ラッキー。人生を変える可能性があります。
読んだことがある方も、Amazonのオーディオブック「Audible(オーディブル)」でお得に復習できるので、ぜひチェックしてください。
なぜ「ゼロで死ね」なのか

「DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)」を意識すべき理由は、以下の3つに集約されます。
人は必要以上のお金を残して死ぬ
ほとんどの世帯で老後のお金が目減りするどころか、逆に増えてしまっています。
FRBの調査によると、1世帯当たりの純資産(中央値)は以下のとおり。
老後の生活に不安があるから貯蓄に励んでいたのに、かえって増えてしまうのは本末転倒です。
しかしお金を残して死ぬことは、単にもったいないだけでなく、もっと根源的で本質的な問題をはらんでいます。

何がマズいのかな…?
お金を稼ぐために使った時間が無駄になる
お金を残して死ぬことは、「お金を稼ぐために使った時間も無駄にしていること」と同義です。
莫大な時間を費やして働いても、稼いだ金をすべて使わずに死んでしまえば、人生の貴重な時間を無駄に働いて過ごしたことになる。その時間を取り戻すすべはない。
【出典】『DIE WITH ZERO』P.70〜71
会社員なら労働と引き換えにお給料が支払われますが、オフィスで勤務する以外にも、通勤や身支度に時間がかかります。
乱暴な言い方になりますが、もしお金を使わずに死んでしまったら、以上のような時間がすべて無駄になるということです。

お金を稼ぐには、想像以上に多くの時間がかかっています。
お金と時間はトレードオフの関係にある、という点は理解しておくべきでしょう。
ヴィッキー・ロビン著『お金か人生か』にも詳しく書かれているので、ぜひチェックしてください。
お金から得た経験で幸せになれる
お金を経験に変えることで、死ぬまでずっと幸せになれます。
なぜ「経験」なのか。その理由は、以下が参考になります。
時間や金をかけて何かを経験するのは、その瞬間を楽しむためだけではない。経験は私たちに、尽きることのない「配当」を与えてくれる。
【出典】『DIE WITH ZERO』P.52

この一節を読んで、雷に打たれた感覚がありました。
たとえ物欲を満たしても、過去を振り返ることがないので、満足感が長続きしません。
しかし経験からは一時的ではなく、永続的な幸福感を得られます。
友人や家族と行った観光地の思い出は、記憶がある限り再体験できるため、いつまでも楽しい気分を運んでくれるでしょう。
充実した人生を送るには素晴らしい経験を増やすことが重要であり、そのためにはお金を経験に変えていくべきなのです。
「ゼロで死ぬ」ための方策

「DIE WITH ZERO」の生き方を実践するために、本書で紹介されている必要なアクションを整理しておきます。
今しかできないことにお金を使う
正しいタイミングでお金を使うようにしないと、得られる幸福感が少なくなってしまいます。
足腰の弱った80代になってマチュピチュ遺跡に行っても、体力的に厳しいことは明白。逆に20〜30代の若い時期なら、現地を縦横無尽に駆け巡れるでしょう。
楽しみを先延ばしせず、今できることを考えるのが大切です。

でもお金が無いんだよね…
そんな疑問を持っている方に知ってほしい言葉が「ラテ・ファクター」。
一見すると大したことのない買い物に見えますが、毎日その買い物をすると巨額な出費になっていくものを指します。
無意識のうちに使っている出費はなるべく控えて、経験のためにお金を使うようにしましょう。
人生の終わりを意識する
有限である時間を可視化することで、自分の寿命を定量的に把握でき、過度な節約を避けられます。
「人生は4,000週間しかない」
オリバー・バークマン著「限りある時間の使い方」に書かれている一節ですが、一生における時間の有限性を明確にしておかなければ、資産をゼロにして死のうとする意識が働きません。
本書では、スマホアプリ「Final CountDown(ファイナル・カウントダウン)」の導入をオススメしています。
現在はインストール不可のため、シンプルで使いやすい「LIFE LEFT」(無料)がオススメです。
若い時から健康に投資する
あらゆる経験をするためには、健康でなければなりません。
本書では、以下の一節が目を引きました。
ある経験から最大の価値を引き出すために金、健康、時間の3つが必要であるなら、もっとも大きく影響するのは健康である。健康を損なえば、生涯の充実度は大幅に下がってしまう。
【出典】『DIE WITH ZERO』P.178~179
お金は取り戻すことができ、時間はお金で買えますが、身体は元の状態に戻らないリスクがあります。しかも健康はお金や時間と違って、「目に見えにくい」性質があるのです。

「不健康も複利で伸びる」という主張に、思わずハッ…としました。
とりあえず健康でさえいれば、それほどお金をかけずとも大抵の物事を経験できます。
つい後回しにしてしまいがちですが、若い頃から健康意識を高めておきましょう。
タイムバケットをつくる
タイムバケットとは、自分がやりたいことを書き出し、人生の時期ごとに分類するツールのことです。
どのタイミングで「やりたいこと」をやるかが明確になるため、自己コントロール感が増します。
さらに大きなメリットは、「やりたいこと」に優先順位が付けられること。
以上の2種類に分けて考えると、「前者は後回しにしよう」といった判断により、人生における経験の合計値を最大化できるようになります。
将来の人生計画を考えるうえで「人生でやりたいことリスト」を作成するのは有意義ですが、さらに「いつやるか?」にまで踏み込んでみましょう。
ある年齢からお金を取り崩す
人は歳を取るとお金を使わなくなるからです。
アメリカ労働局が実施した消費者支出調査によると、1世帯当たりの平均年間支出は以下のとおり。
徐々にやり残したことも減り、体力的な不安も出るのが大きな原因です。
著者の祖母は、著者から1万ドルを受け取ったものの、50ドルのセーターしか買わなかったとか。

筆者も20代より30代の方が物欲も減っているので、納得感しかありません。
となれば、あるタイミングで資産のピークを作り、少しずつ減らしていくようにする必要があります。
本書のオススメは、「45〜60歳」から資産を取り崩すこと。
個人差はありますが、早い時期からお金を減らすことを意識しましょう。
「DIE WITH ZERO」の名言まとめ

ここまで「ゼロで死ぬ」べき理由と対策を解説してきましたが、個人的に刺さった名言も紹介しておきます。
人生は経験の合計
人生は経験の合計だ。あなたが誰であるかは、毎日、毎週、毎月、毎月、毎年、さらには一生に一度の経験の合計によって決まる。
【出典】『DIE WITH ZERO』P.44
記憶の配当
金を払って得られるのは、その経験だけではない。その経験が残りの人生でもたらす喜び、つまり記憶の配当も含まれているのだ。
【出典】『DIE WITH ZERO』P.56
お金と経験はトレードオフの関係
大切なのは、「金を稼ぐこと」と「大切な人との経験」をトレードオフの関係として定量的にとらえ、自分の時間を最適化することだ。
【出典】『DIE WITH ZERO』P.132
人生で一番大切なのは「思い出づくり」
人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ。
【出典】『DIE WITH ZERO』P.265
何よりも経験にお金を使うことの大切さがわかるのではないでしょうか?

経験、経験、経験っ…!
ちなみに経験は「非地位財」と呼ばれ、他者との比較によらない絶対的なものなので、幸福感が長続きすると言われています。
逆に車・ブランド物などは、「地位財」と呼ばれます。
以上の概念はロバート・フランク著『幸せとお金の経済学』に詳しいので、気になる方は参考にしてください。
DIE WITH ZEROを読んで感じた注意点

『DIE WITH ZERO』は素晴らしい書籍ですが、以下の点には注意が必要です。
支出を自己正当化しない
本書の考え方を乱用すると、浪費グセを助長してしまうかもしれません。
家計の余裕は無いのに、マイホームの購入を考えている家庭があると仮定しましょう。
本来なら先に支出を見直すべきですが、「自宅で楽しく暮らすのも経験!ゼロで死ぬ!」という発想になってしまうと、無理して家を建ててしまう可能性があります。

ある程度の線引きは必要ですね。
『バビロン大富豪の教え』にもあるとおり、人間の欲望には際限がありません。
特に物欲・所有欲には優先順位を付け、そのうえで支出を考えるようにしましょう。
子どもに適切な金融教育をする
ルール5で資産相続を早い時期に行うことが推奨されていますが、日頃から正しい金融教育をしていないと危険です。
お金を稼ぐ大変さなどをしっかり教えていない状況で、いきなり数千万円の大金を手にしてしまったとき、一体どうなってしまうでしょうか?

おそらく相続したお金を正しく扱えず、すぐ使い切ってしまうはずです。
マネーリテラシーが高まる育て方を意識し、「大丈夫だ」と確信した段階で相続するのがよいと考えました。
金融教育の重要性については、『となりの億万長者』に詳しいので、気になる方はチェックしてください。
日本の事例に当てはめて考える
アメリカの事例が多く使われているため、日本に置き換えて考える必要があります。
先述した1世帯・1ヶ月あたりの消費支出額について、総務省の家計調査(2023年)によると、60〜69歳は「31.29万円」であるのに対し、70歳以上は「28.79万円」となっています。

日米ともに同様の傾向が読み取れますね。
海外のエビデンスを用いた翻訳書であるため、日本でも同じことが言えるのか、自分なりにフィルターを通しましょう。
耳読レビュー

今回紹介した『DIE WITH ZERO』は、Audible(オーディブル)の配信があります(聴き放題対象外)。
実際に聞いた5つ星レビューはこちら。
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
おもしろさ | 人生の過ごし方がガラッと変わる | |
聴きやすさ | 専門用語も少なく平易な内容 | |
ナレーター | 落ち着いた朗読で聴きやすい | |
目次 | 大見出しのみ |
初めて聴く方も、復習のために耳から聴く方も安心の1冊ですよ。

でも単品購入って、高いんじゃないの?
割高感が気になる方は、以下の記事でお得になる方法を確認してください。
>オーディブルで単品購入が割高と感じる方への対処法をチェックする
5分のサンプルは無料で聴けますので、以下のリンクからぜひ視聴を。
【まとめ】DIE WITH ZERO:わたしの人生を変えた「マイ・ベスト本」

なぜ、本書がマイベスト本なのか。
過度な節約をやめて、経験に時間を使えるようになり、生きやすくなったから
このひとことに尽きます。
かつてのわたしはSNSのお得情報を追いかけ、1円でもお金を増やそうとする生活を送っていました。
でも本書を読んで、このように思ったのです。

この数百円・数千円に、いったいどれだけの価値があるのだろう…?
お金があれば、人生の選択肢も増える。だから節約・蓄財は大切だ。その考えに変わりはありません。
しかしその小銭を追いかけている間、できるはずの経験が失われてしまっている。
30代という貴重な時間を捨ててまで、本当にやるべきことなのだろうか。
自問自答がスタートしたその瞬間から、わたしは費用対効果の悪い節約を止め、自己投資や経験に重きを置くようになりました。

月1回程度の旅行も楽しむようになってから、
人生が充実している感覚があります。
あなたはお金を貯めることばかり考えていませんか?節約ばかりしていませんか?
特に以下のような方には、ピッタリの1冊。
「人生の貴重な時間をロスしないために、一刻も早く読んでほしい。」
心の底から、そう思っています。