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今回の記事は、北康利著『ブラジャーで天下をとった男』の書評・感想です。
本書を一言で紹介するなら…
下着メーカー「ワコール」の創業者・塚本幸一の評伝
以下に当てはまる人は、ぜひ読んでください。
心が震える大傑作ですよ!
本書は、Amazonの聴く読書「Audible(オーディブル)」の聴き放題対象本です。
紙の本よりお得(2,090円→1,500円)なので、以下のボタンをクリックして、無料で聴けるかチェックしてください。
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書籍情報
かつてこの国は、今とは比較にならない男尊女卑の国であった。男が産まれると喜び、女が生まれると露骨なほど落胆を見せた。家長はもちろん、国を支えるのは男であり、女はそのしもべのような扱いを受けた。だがこの国を破滅させたのは、国を支えるはずの男だったのだ。
【出典】Amazon HPより
銃後を守る女性たちに「贅沢(ぜいたく)は敵だ!」と忍耐を求め、頭にパーマなどかけようものなら「非国民!」とののしった。「産めよ増やせよ」と子作りを励行し、その子どもたちを次々に戦場へと駆り立てては、物言わぬ白木の箱に入れて帰した。その果てが無残な敗戦である。
(真の平和とは、女性の美しくありたいと願う気持ちが自然と叶えられる社会であるはずだ)
そう確信した彼は、女性のために女性とともに、ビジネスの世界で再び戦いを挑んでいった。
【感想・考察】ワコール社が成功できた理由3つ
読了して、創業者・塚本幸一がワコール社を一大企業に押し上げた理由は、以下の3つだと考えました。
理由①:亡き戦友たちへの強い思い
本書には戦後まだ間もない時代、日本に女性下着を広めるため、塚本幸一の日本中を駆け巡ったエピソードが数多く紹介されています。
なぜ彼は、そこまで必死になれたのでしょうか?
実は彼はあの悪名高い、太平洋戦争における “インパール作戦” の生き残り。
インパール作戦は、太平洋戦争中に日本軍がインド北東部の都市インパールを攻略するために進軍した作戦で、補給路がないという杜撰な戦略のもと進められました。日本軍の戦死者は約7万8,000人と推定されており、日本軍が敗北した戦いで最も悲惨な戦いとして知られています。
たまたま生きながらえて帰国・復員しており、「残された命をムダにはできない」という強い思いがあったのです。
塚本は、次の言葉を残しています。
皆と同じことをしていたのでは駄目だ。人の3倍も5倍も、否、10倍も頭を使い、身体を働かさなければ、人の上には立てない
【出典】『ブラジャーで天下をとった男』第一章
日本の奇跡的な復興の裏には、戦争で死んでいった者の思いを引き継いでいた男たちの存在があると実感でき、胸がジーンとアツくなります。
理由②:女性社員を重用した
その後、急成長していくワコールですが、その原動力となったのが女性たちの力でした。
今でこそ男女雇用機会均等法が施行されるなど、働く女性は当たり前。しかし当時の日本で女性の立場は男性に劣後しており、家庭に入って夫を支えるのが普通でした。
本書では、
など、”女傑”と評される女性社員3人が紹介されています。
水を得た魚のように活躍する姿に心を打たれました。
この点については、性別に関係なく優秀な人間はどんどん登用していく塚本に先見の明があり、いい人材を見極められる眼力が素晴らしいと感じました。
理由③:海外で現地視察を行った
「世界のワコール」を目指すと宣言した塚本幸一は、創業10年ほどで欧米視察に出かけます。
海外に行くなんて、別に普通じゃないの?
こんな風に思う方がいるかもしれませんが、当時の日本ではとても勇気のいる行動。
なぜなら、そもそも海外渡航自体が珍しい時代であり、1964年まで外貨の持出は厳しく規制されていたからです。
しかし塚本は闇市場で日本円を外貨に交換してまで、欧米の現地調査に出かける大胆っぷり。
もし見つかっていたら、刑事罰まったなしだったとか…!
その分、得られた戦果は大きく、
という逸話が残されています。
ちなみにあの松下幸之助も大の飛行機嫌いでしたが、塚本より早い1951年に海外視察を行い、フィリップス社との提携に成功するなど、飛躍の足がかりを作りました。
戦場で培ったフットワークの軽さ・危険を顧みない大胆さが、ワコールを成功に導いたと言えるでしょう。
【耳読レビュー】創業者・塚本幸一の一生をドラマのように聴ける
今回紹介した『ブラジャーで天下をとった男』は、Audible(オーディブル)の配信があります。
実際に聞いた5つ星レビューはこちら。
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
おもしろさ | 意外な発見・学びが多いです。 | |
聴きやすさ | エッセイ・評伝系なので耳読向き。 | |
長さ | 「10時間42分」 3日以上かけて味わい尽くそう! | |
総合評価 | 太鼓判の1冊! |
本書は戦時中の回想シーンから始まり、戦後日本の厳しい状況の中でたび重なる困難に立ち向かいながら、会社を徐々に大きくしていくストーリー。
専門用語の多いビジネス書だと頭を使う必要がありますが、ラジオドラマを聴いているような感覚で聴けるのがおすすめポイントです。
5分のサンプルは無料で聴けますので、以下のリンクからチェックしてください。
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【まとめ】ブラジャーで天下をとった男:ビジネスの成功哲学を学べる1冊
本書のオススメポイントは、3点です。
- 映画になりそうなストーリー展開
- 成功のエッセンスが詰まっている
- Audibleでも聴きやすい
「会社を経営するってこういうことか!」と学びが多く詰まっているだけでなく、松下幸之助さんや稲盛和夫さんとのつながりも描かれており、発見だらけの本書。
面白すぎて、ブックマークの数が恐ろしいことになりました(笑)
持ち前の図抜けた行動力で周囲の人々を巻き込み、「世界のワコール」に成長していく物語はあまりに濃密。波乱万丈の人生を追体験できる貴重な1冊になっています。
かなりオススメの作品なので、ぜひ手にとってみてくださいね。
ちなみにAmazonの聴く読書「Audible(オーディブル)」は月額1,500円なので、紙の本(定価2,090円)よりもお得です。
本書だけ聴いてから退会してもペナルティはありませんので、無料体験で聴いてみてくださいね。
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本書以外のタイトルが気になる方は、以下の記事を参考にぜひ。
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